新刊が出ました

このたび、1999年に刊行した「犬が生きる力をくれた 〜介助犬と人びとの物語」を大幅に加筆修正、ほぼ書き下ろしに近い文庫版を出版しました。

「犬、そして猫が生きる力をくれた 〜介助犬と人びとの新しい物語」

(岩波現代文庫、860円+税)

 

 

アメリカの女子刑務所には、受刑者たちがシェルターから引き取った保護犬を、障害のある人々のための介助犬に育てるプログラムがあります。1982年に始まったこのプログラムは、いまでは保護猫もレスキューし、新しい家族を見つける活動に発展しました。

重罪を犯した女性たちの多くは、人を傷つけましたが、自分たちもDVや性的虐待などさまざまな暴力の被害を受け、深く傷ついています。そんな女性たちが、人に捨てられたり虐待されたりした犬や猫をケアする過程で、自分たち自身も癒され、他者の痛みを感じられる人間に変わっていきます。

私たち人間と違い、動物たちは相手がたとえ犯罪者であろうと、その人をありのままに受け入れ、愛することができます。だからこそ、人間への怒りや憎しみに凝り固まった人たちの心を開かせることができる。これは、動物たちに支えられて生き直しのきっかけをつかんだ8人の女性たちと、彼女たちと特別な絆を結んだ犬や猫たちの物語です。

人と動物の絆が持つ大きな可能性について、ぜひ多くの人に知っていただきたいと思います。